【テストマッチ】8月第2週試合結果
イングランド 19 v 17 ウェールズ
先週ホームで快勝したウェールズがアウェイで善戦を見せた。
両陣営が攻め手を欠く中、イングランドが主将でSOのファレルの安定したPGで試合を優位に進めて前半を折り返し後半に突入。早々にPGを加えたイングランドではあったが、ウェールズも粘りを見せて相手陣に攻め込み、46分にようやくのPGを決めて反撃を開始。58分には直前に交代で入ったイングランドPRエリス・ゲンジとFBスチュウォードのイエローカードでペナルティトライを獲得し、9対10とウェールズが逆転に成功する。さらにはイングランドの支柱であるSOファレルがハイタックルでまさかのレッドカード退場となり、3人の人数差を追い風にウェールズが押し込んでSHトモス・ウィリアムズがトライ、後半から入っていたSOダン・ビガーのゴールも決まり、9対17とウェールズが突き放した。それでもあきらめないイングランドは68分、混戦からLOイトジェが抜け出してトライを返し、ゴールも決まって16対17と1点差まで迫り、その後もメンバーを1人欠く中で圧力をかけ続け、75分にウェールズLOアダム・ベアードが痛恨のイエローカード。ファレルの代わりにSOの位置に入っていたジョージ・フォードがPGを決めて19対17と逆転に成功。そのまま逃げ切ってイングランドが辛くも勝利を手にした。
ファレルのレッドカードは出場停止処分が数試合課せられる見込みで、W杯本番の緒戦に欠場することも考えられることから、イングランドは戦略の見直しを迫られることとなった。
フランス 30 v 27 スコットランド
先週ホームで快勝したスコットランドがアウェイでも大健闘を見せた。
スコットランドは開始4分でWTBカイル・ステインがいきなりのトライ、ゴールも決まって0対7と幸先の良いスタートを切った。徐々にペースをつかんだほぼフルメンバーのフランスは相手陣でプレッシャーをかけ、2本のPGを決めて反撃を開始。その間PGを返されるも、SHアントワーヌ・デュポンのペナルティからの速攻に思わず反応してしまったスコットランドSHアリ・プライスがイエローカードとなり、人数優位の機をとらえて相手陣に攻め入り、ゴール前のスクラムからSOロマン・ヌタマックがサインプレーで華麗なトライを決め、逆転に成功し、ゴールも決まって前半を13対10のリードで折り返した。
後半は開始早々からフランスがペースを握り、FW・BK一体となったシャンパン・ラグビーで立て続けに2本のトライを決め、27対10と突き放し、試合を決定づけたかに見えた。ところが、ペナルティから徐々に流れをつかんだスコットランドがゴール前の混戦からの展開でWTBファン=デル=メルヴァがトライを決め、一気に反撃ムードが高まり、FLダージに続きWTBステインがこの日2本目となるトライを決めて一気に同点となった。最後はゴール前スクラムで痛恨のペナルティ(コラプシング)となったスコットランドが競り負け、アウェイでの金星を逃す形となった。
なお、この試合でトライも決めたフランスSOヌタマックがひざのけが(左前十字靱帯断裂)で長期離脱(全治6か月以上)が確定し、W杯出場を逃すこととなった。また同じくフランスのPRシリル・バイユも足の負傷で5~6週の離脱を余儀なくされ、W杯出場が危ぶまれている。フランスはホームでの辛勝で痛いアクシデントに見舞われ、地元開催のW杯に暗雲が立ち込めている。
テストマッチ

トンガ 28 v 3 カナダ
ホームでカナダを迎え撃ったトンガが快勝。2本のトライを重ねた一方でカナダの反撃をPG1本に抑えて前半を終えると、後半は得意のボール回しからトライを重ね、53分までに2本のトライとコンバージョンを追加して28対3とし、粘るカナダを押し切ってそのまま試合終了。優勢な中でレッドカードを出すなどパシフィックネーションズシリーズから変わらずミスや反則が多く課題は多いが、W杯に向けて弾みとしたいところ。
ジョージア 56 v 6 ルーマニア
ジョージアのトビリシで行われた試合は、ホームのジョージアが8人の8トライで快勝し、W杯に向けて好スタートを切った。一方のルーマニアは連敗で今季勝ち星なく元気がないのが気になる。来週のサマー・ネーションズ・シリーズの一戦となるイタリア戦で奮起を期待したい。
ポルトガル 46 v 20 アメリカ
ホームのポルトガルが先週アウェイでルーマニアを下したアメリカに快勝。軽快なパス回しからペナルティ・トライを含む7トライを量産する一方で、アメリカの反撃をしのぎ切り、結果ダブルスコアとなりW杯に向けて幸先の良いスタートとなった。
チリ 26 v 28 ナミビア
W杯出場国同士の対戦はアウェイのナミビアが競り勝ち、今季初の勝利をつかんだ。チリは後半58分までに26対7と試合を優位に進めていたが、疲れの見えた後半の後半に立て続けの3トライを奪われて逆転を許し、地元での勝利を逃した。
総評
優勝候補の一角フランスがホームであわやの辛勝で面目を保ったが、SOヌタマックとPRバイユはチームの要となる選手でもあり、離脱による影響が心配される。一方であと一歩のところまで迫ったスコットランドの充実ぶりが光った試合でもあり、これまでチームをけん引してきたFBホッグの引退表明後のチーム作りがうまくいっていることを証明した。W杯本番が待ち遠しいのではないか。
イングランド対ウェールズの試合は両チームに5枚のイエローカードと1枚のレッドカードが飛び交う荒れ試合に。危険なプレーに厳しい判定が下される傾向が強く、選手の身体の保護の観点が重視されているともいえる一方で、今回のカードはともかく、力の拮抗した対戦ではフィールドではぎりぎりの選択を迫られる中で場面によってはほかの手段が選択できない(あるいは選択がきわめて難しい)状況も考えられ、公正公平な試合の進行のためにはレフェリング側の判断や基準もより精査されていくべきではないか。
次週からは、上位勢同士の対戦が続く一方で、やや力の差のある対戦も組まれており、各国の調整がより難しくなってきていると思われ、W杯メンバーの発表とあわせて動向を注視していきたい。
世界ランキング(8月14日更新)
| 順位 | 変動 | 協会(国・地域) | レート |
|---|---|---|---|
| 1 | →(1) | アイルランド | 91.82(→) |
| 2 | →(2) | ニュージーランド | 90.77(→) |
| 3 | →(3) | フランス | 89.22(↑) |
| 4 | →(4) | 南アフリカ | 88.97(→) |
| 5 | →(5) | スコットランド | 84.01(↓) |
| 6 | →(6) | イングランド | 81.53(↑) |
| 7 | →(7) | アルゼンチン | 80.86(→) |
| 8 | →(8) | オーストラリア | 79.87(→) |
| 9 | ↑(10) | フィジー | 78.70(→) |
| 10 | ↓(9) | ウェールズ | 78.66(↓) |
| 11 | →(11) | ジョージア | 76.23(→) |
| 12 | →(12) | サモア | 76.19(→) |
| 13 | →(13) | イタリア | 74.63(→) |
| 14 | →(14) | 日本 | 74.29(→) |
| 15 | →(15) | トンガ | 70.29(→) |
※ 変動とレートの↑は上昇、↓は下降、→は変動なし
