【RWC】第3週(9月19日~25日)試合結果&ランキング
試合結果
イタリア 38 v 17 ウルグアイ
ランク上位のイタリアが前半苦しみながらも後半逆転の勝利で2戦2勝とした。
イタリアは開始2分のペナルティのピンチをPG失敗で切り抜けてから巻き返し、7分にWTBロレンゾ・パニが幸先よくトライしたが、その後もペナルティが多く、前半は終始ウルグアイのペースに持ち込まれた。25分、27分には立て続けにイエローカードを出してペナルティトライを献上、さらに人数不利を突かれてトライ、ゴール、ドロップゴールを奪われ、前半を7対17の10点ビハインドで折り返した。しかし後半早々のウルグアイのイエローカードで勢いを取り戻し、FLミケーレ・ラマロ主将がトライを返すと、流れが一気にイタリアに傾き、WTBモンタナ・イオアネのトライで逆転、No.8ロレンゾ・カノーネのトライも飛び出して試合を決めた。
ウルグアイはFWの圧力やBK展開で前半を優位に進めながら後半のペナルティで流れを失ってからは巻き返すことができず、力負けとなった。
フランス 96 v 0 ナミビア
地元フランスが前節から一転してSOアントワーヌ・デュポン主将ら主力を惜しみなく投入し、奮戦するナミビアを粉砕して記録的な圧勝を果たした。
フランスは先週主将として復帰したアントニー・ジュロンシュをNo.8に起用するなど、第一戦から小幅な変更のメンバー編成となり、前半からトライを量産して(前半だけで8トライ)ナミビアを圧倒した。FBトマ・ラモスも1本目を除く13本中12本のコンバージョンを決め、キックの正確性を見せた。
ナミビアは、後半主将のCTBジョアン・デイゼルにレッドカードを出すなど精彩を欠き、見せ場なく無得点の大敗となった。
なお、ナミビアの主将デイゼルのレッドカードの対象となった頭部へのタックルでフランスの主将デュポンが骨折、チームからの離脱はしないものの次戦イタリア戦を欠場することが濃厚となった。
アルゼンチン 19 v 10 サモア
アルゼンチンが強力FWを擁するサモアを退け、敗退した初戦からの巻き返しに成功し、決勝トーナメント進出に一歩前進した。
アルゼンチンは、開始早々サモアFBダンカン・パラアウアが空中へのタックルでイエローカードとなったことから数的優位となり、攻め込んだゴール前のラックから大外に展開して、キッカーでもあるWTBエミリアーノ・ボフェッリがトライ、コンバージョンも自ら決めて先制し、その後は堅実に相手のペナルティをPGにつなげて点差を広げた。ボーナスポイントがなかったことからプールではサモア、日本に次ぐ4位となっているが、チリ、日本を残しており、連勝して決勝トーナメント進出につなげたい。
サモアは、自慢の強力FWを果敢にぶつけ、ようやく75分の交代HOサマ・マロロのトライにつなげたが、直後に自陣でペナルティ、アルゼンチンの大ベテランFBニコラ・サンチェスのPGで突き放され、万事休した。これで1章1敗となり、次に対戦する日本と勝ち点で並んで負けられなくなった。
ジョージア 18 v 18 ポルトガル
ジョージアとポルトガルが互いに死力を尽くした試合の末、決着つかずドローの結末となった。
ジョージアは、開始2分にWTBアカキ・タブツァゼが展開からのオフロードパスを受けてトライを奪うなど幸先良く得点を奪い、自信を持つスクラムで圧力をかけPGを重ねて突き放すも、ポルトガルの粘りにあって徐々に試合をコントロールできなくなり、PGを決めた直後の34分にポルトガルWTBラファエレ・ストルティに個人技でのトライを献上。
ポルトガルのイエローカードで人数優位のまま前半を終えたものの傾いた流れは変えられず、ジョージアの劣勢が続く後半に、PGで追いすがるポルトガルが57分に2本目のトライを挙げて逆転に成功し、試合は最終版へ。一進一退の攻防からの78分、ついにジョージアがゴール前のモールを左隅に押し込んでトライ、コンバージョンが外れたことで同点となり、このまま試合終了かと思われた再開のキックオフからのボールをジョージアがまさかのペナルティ。決めれば勝利となったが惜しくも外れてデッドボールラインを割り、試合終了となった。
ポルトガルにとっては、W杯初勝利を目前に惜しいドローとなった。
イングランド 71 v 0 チリ
レッドカード後の出場停止処分が明けたオーウェン・ファレル主将が復帰したイングランドがチリを完封し、力の差を見せつけた。
イングランドはファレル主将をSOに据えつつ、FBにSOもできるマーカス・スミスを起用するなど、強力で大きなFWの圧力を背景にした動きのあるBK展開でチリを翻弄し、トライを量産して気付けば11トライ9コンバージョンの大差の勝利となった。この日W杯初出場・初先発となった弱冠20歳のWTBヘンリー・アランデルは1人で5トライを挙げる活躍で、大会トライ王に名乗りを上げた。
チリは要所で粘りを見せるも、イングランドの多彩な攻撃の前になすすべなく大差の敗戦となった。これで3敗となり、アルゼンチン戦を残しているもののプール戦敗退が決まった。
南アフリカ 8 v 13 アイルランド
世界ランキング1位を持続中のアイルランドが、前回王者南アフリカとの接戦を制して快勝し、プール1位通過に王手をかけた。
アイルランドは南アフリカの強力FWにブレイクダウンでの劣勢を強いられ、6分にPGを許しながらも、先週に引き続き要所でSOセクストンのゲームコントロールが冴えて試合の主導権を離さず徐々に盛り返すと33分にゴール前の展開からWTBマック・ハンセンが右隅に飛び込んでトライ、セクストンのゴールも決まって逆転に成功した。
後半巻き返しを図る南アフリカは、強力FWを前面に押し出し、ゴール前のスクラムでペナルティアドバンテージからの展開でWTBチェズリン・コルビが左から回り込んでトライ、ゴールは外したものの逆転に成功した。
それでも慌てないアイルランドは、セクストンが冷静にPGを決めて逆転すると、南アフリカのPG失敗も手伝ってリードを保ち、一進一退の攻防からゴール前のスクラムに持ち込み、ペナルティを勝ち取ってPGを追加、そのまま南アフリカの追撃を振り切って勝利を収めた。
幾度となく勝つチャンスを得ていた南アフリカだったが、ブレイクダウンやスクラムでのアイルランドFWの巧みなコントロールに手を焼き、ゴールの成功率の低さも相まってペナルティに泣く結果となった。これでプール首位を明け渡し、ルーマニア戦も残しているスコットランドとアイルランド戦の結果いかんでは予選敗退もあり得るため、最後のトンガ戦でしっかりとボーナスポイントを獲得し、プール戦突破を確実にしたい。
スコットランド 45 v 17 トンガ
初戦で南アフリカに敗れて後がないスコットランドが2週間ぶりのトンガ戦で快勝し、プール突破に望みをつないだ。
スコットランドはHOジョージ・ターナーがラインアウトからのモールを一気に押し込んでトライを奪い、幸先良く先制したが、PGで追いすがるトンガに逆転のトライを許すなど苦しい展開に。それでもベテランSOフィン・ラッセルを中心に徐々に落ち着きを取り戻したスコットランドは、自慢のWTBドゥーハン・ファンデルメルヴァが展開したボールを左隅に持ち込んで再逆転し、もう一方のWTBカイル・ステインもトライしてリードを開き、前半を24対10でおり返した。
巻き返したいトンガは、FWを前面に出す得意の形で押し込み、最後はPRベン・タメイフナがトライを返したが、反撃もここまで。その後も圧力をかけ続けたスコットランドが54分に交代SHジョージ・ホームのトライで突き放して勝負を決めた。
トンガは序盤から中盤で粘りを見せたものの、最後は力尽きた。これで2戦2敗となり、プール戦敗退がほぼ決定した。
ウェールズ 40 v 6 オーストラリア
ウェールズが強豪オーストラリアに完勝してプール突破を決めた。オーストラリアは歴史的な敗戦でプール敗退が濃厚となり、次回W杯の自国開催に向けて極めて厳しい結果となった。
ウェールズは序盤にベテランSOダン・ビガーを怪我で退場させるも、持ち前の粘り強いディフェンスでオーストラリアの展開ラグビーを封じてミスを誘い、要所でPGを重ねて突き放す得意の手堅い展開が決まってリードを広げ、ボーナスポイントこそ得られなかったものの相手をノートライに抑え込む完勝で、プール戦突破一番乗りを決めた。40対6はオーストラリア戦の最大点差となった。
オーストラリアは主将のLOウィル・スケルトンを欠く中でSOに24歳のベン・ドナルドソンを起用するなどW杯自国開催も見据えた若手中心の布陣で臨んだが、BK展開での連携ミスやラインアウトのサインミスなど、強豪国にはあり得ないミスを連発し、徐々にペースを奪われて立て直すことができず、若手中心のメンバーが完全に裏目に出た形となった。5年契約を結んだと報道されているエディ・ジョーンズ監督の去就にも影響がありそうな大敗で、ほぼ敗退の決まった今大会はともかく、今後の抜本的なチーム立て直しが急務となる。
総評
プールAでは、フランスが順当に勝利し、決勝トーナメント進出をほぼ手中にした。試合のなかったニュージーランドは次週のイタリア戦で勝利して決勝トーナメント進出を決めたい。そのイタリアは、ウルグアイに苦しんだものの後半の巻き返しでボーナス1ポイントを追加する快勝を見せてプール戦突破に向けて最後の厳しい2戦、ニュージーランド、フランスに臨む。ナミビアは元気なく3連敗で敗退が決定、ウルグアイは可能性を残すも厳しい状況となった。
プールBは、世界ランキング1位のアイルランドが同2位(試合前)の南アフリカとの今大会プール戦最大ともいえる大一番を制して3連勝し、プール1位を濃厚にした。スコットランドとの一戦を残しているが、隙のない試合運びで世界1位の実力を見せつける連勝で勢いが止まらない。南アフリカは5点差の惜敗ではあったが、キックによる得点力不足が露呈した形となっており、決勝トーナメント進出に向けて修正が必要な状況。幸いHOマルコム・マークスの交代要員で獲得した前回大会優勝SOハンドレ・ポラードが怪我から復帰してチームに加わっており、重要な補強になった。トンガは連敗してプール戦突破は厳しい。
プールCは、ウェールズが南半球の強豪オーストラリアを歴史的な点差で快勝し、決勝トーナメント進出一番乗りを決めた。一方のオーストラリアはプール戦敗退が濃厚で、10大会連続の出場で初めて決勝トーナメント進出を逃す厳しい大会となった。個人の感想ながら、主将に任命したスケルトンが早々に離脱するなど、アクシデントが重なったとはいえ、ここ数十年のオーストラリア代表ワラビーズの試合として最も悪い内容と言え、よほどの変革がなければ立ち直るのは難しいのではないか。ジョージアとポルトガルは対戦前の予想に反して大接戦となり、結果引き分けたが、ポルトガルの勝利が目の前に見えていただけに、惜しまれるドローとなった。
プールDは、イングランドがチリに無失点の完勝でプール戦首位に王手をかけた。2試合を残し、イングランドとの対戦もあるサモアにまだ可能性は残っているが、大会前の下馬評を覆す仕上がりを見せるイングランドに付け入る余地はあまりなさそう。アルゼンチンは厳しい試合内容ながらもサモアをねじ伏せて今大会初勝利を挙げ、意気が上がる。試合のなかった日本は次週サモア戦に向けて入念に準備し、続くアルゼンチン戦も含めた連勝を期す。チリはプール戦敗退が決定した。
世界ランキング(9月25日更新)
| 順位 | 変動(前週) | 協会(国・地域) | レート |
|---|---|---|---|
| 1 | →(1) | アイルランド | 93.79(↑) |
| 2 | ↑(3) | フランス | 90.59(→) |
| 3 | ↓(2) | 南アフリカ | 89.70(↓) |
| 4 | →(4) | ニュージーランド | 87.69(→) |
| 5 | →(5) | スコットランド | 83.43(→) |
| 6 | →(6) | イングランド | 83.24(→) |
| 7 | →(7) | ウェールズ | 83.17(↑) |
| 8 | →(8) | フィジー | 80.66(→) |
| 9 | ↑(10) | アルゼンチン | 79.31(↑) |
| 10 | ↓(9) | オーストラリア | 76.50(↓) |
| 11 | ↑(12) | イタリア | 75.93(↑) |
| 12 | ↓(11) | サモア | 74.47(↓) |
| 13 | ↑(14) | 日本 | 73.27(→) |
| 14 | ↓(13) | ジョージア | 73.18(↓) |
| 15 | →(15) | トンガ | 70.29(→) |
※ 変動とレートの↑は上昇、↓は下降、→は変動なし
