【RWC】準々決勝試合結果&ランキング
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ウェールズ 17 v 29 アルゼンチン
予選で苦戦を強いられたアルゼンチンが、持ち前のパワーと展開力を存分に発揮し、ウェールズを突き放す快勝で準決勝にコマを進めた。
アルゼンチンは、序盤ペースが上がらない中で今大会で代表からの引退を表明しているウェールズSOダン・ビガーの突破を許してゴール中央にトライを献上。PGも追加され、一時10対0とされるも、前半終了間際に2本のPGを返して10対6の折り返しとなった。ようやく勢いの出てきた後半はアルゼンチンが主導権を握り、44分、48分にキッカーのWTBエミリアーノ・ボッフェッリがPGを決めて逆転に成功。ここからウェールズが混戦から一瞬の隙を突いて後半入ったSHトモス・ウィリアムズが抜け出してトライを奪ったが、終始冷静に対処したアルゼンチンは、67分、ゴール前のラックからFWが押し込んでトライ、ボッフェッリのゴールも決まって逆転すると、直後に投入された大ベテランSOニコラス・サンチェスが巧みな状況判断でウェールズのパスをカットしてそのままゴールに飛び込み勝負あり。大一番をしっかりモノにして見せた。
ウェールズは、序盤優位に試合を展開したが、アルゼンチンの勢いに徐々に押され、最後はダン・ビガーと代わって入った22歳のSOサム・コステローのサインプレーからのパスミスを得点につなげられ、粘り切れなかった。リザーブSOアンスコムの不在が結果的に響いた形となった。
アイルランド 24 v 28 ニュージーランド
ニュージーランドが快勝して世界ランキング1位のアイルランドを下し、4回目の優勝に向けて価値ある勝利をつかんだ。一方のアイルランドは、またしてもベスト8の壁を越えられず、長く維持してきた世界ランキング1位の座からも陥落することとなった。
ニュージーランドは序盤から持ち前のスピードと展開力が冴え、先発WTBに抜擢されたレスター・ファインガアヌクが鮮やかなトライを決めると、ニュージーランド出身のCTBバンディ・アキのトライで追いすがるアイルランドに対して一歩も譲らず、今度はNo.8アーディ・サヴェアがトライして再度突き放す。前半終了間際にこちらもニュージーランド出身のSHジェイミソン・ギブソン=パークがトライを奪って17対18の大接戦で折り返すも、後半は終始優位に試合を進めたニュージーランドが切り札WTBウィル・ジョーダンのトライで突き放し、FWのコラプシングでペナルティトライを奪われて再度1点差まで迫られたものの、直後の69分にCTBジョーディ・バレットがPGを決めて突き放し、最終盤の攻防を凌ぎ切って勝利をもぎ取った。
アイルランドは、下馬評に反して終始追いかける展開の中、引退を表明している主将でSOのジョニー・セクストンを中心に多彩な攻撃を見せ、最後まで粘り強く戦い抜いたが、最後までリードを奪うことはできずに終わった。
イングランド 30 v 24 フィジー
イングランドが大接戦を制して辛くも勝利をおさめ、準決勝に進んだ。今大会の台風の目となったフィジーも華麗なパス回しで固いイングランドディフェンスを切り開き、一時同点となる粘りを見せたが、最後はイングランド得意のDGに泣いた。
イングランドは、PGで先制した後の14分、戦列復帰したサモア出身のCTBマヌー・トゥイランギがBKの展開から巧みな体の使い方でゴールに飛び込みトライを決めると、23分にはこの日アウトサイドCTBに入ったジョー・マーチャントがフィジーディフェンスの隙間を縫ってトライ。前半を21対10で折り返すと、一進一退の攻防から54分にペナルティを得てSOオーウェン・ファレル主将が落ち着いてPGを決め、突き放したが、ここから徐々にフィジーのペースとなり、縦横無尽のパス回しから立て続けに2本のトライを奪われて一気に同点に。しかしそれでも冷静なイングランドは、攻め込んだゴール前ラックからファレル主将がDGをねじ込んで突き放し、勝利を手繰り寄せた。
フィジーはイングランドの巧みな戦術の中で序盤は持ち味を発揮することが出来ず苦しんだが、後半勢いを取り戻し、あわや大会前の初勝利の再来といった展開に持ち込んで力を見せたが、ペナルティからの失点に泣いた。ただし、今大会で活躍を見せた太平洋諸島のチームの中でもとりわけ実力のある所を存分に示した。
フランス 28 v 29 南アフリカ
南アフリカが史上2回目の連覇に向けて負けられない試合を制し、地元フランスの熱狂をはね返す勝利を挙げた。フランスはSHアントワーヌ・デュポン主将も復帰して過去最強の布陣で臨んだが、悲願の初優勝はまたも遠のいた。
南アフリカは、先制トライを許すも試合巧者ぶりを見せて冷静に試合を運ぶと、得意のハイパントからのっラッシュですぐにWTBカート=リー・アレンゼがトライを返して同点とし、少ないチャンスを攻め切って得点を奪う得意の展開でCTBダミアン・デ・アレンデが飛び込んで逆転に成功。ここからトライの取り合いになり、LOエベン・エツベスのイエローカードもあって前半終了間際のPGで19対22と3点ビハインドで折り返すこととなったが、6点ビハインドとなった67分、ゴール前の混戦でペナルティアドバンテージを得たままFWが押し込み、最後はLOエツベスが前半終了間際のイエローカードの借りを返す突進でトライを奪い、再度逆転に成功すると、固いディフェンスと終盤に入ったSHファフ・デ・クラークの巧みなゲームコントロールでフランスに得点を与えず、1点差の際どいゲームをモノにした。
フランスは、序盤から果敢に攻めて展開からこの日2本のトライを決めたPRシリル・バイユのトライを演出し、そのまま勢いに乗るかと見られたが、南アフリカの執拗なハイパント戦術とわずかなチャンスを逃さない集中力に五分の展開に持ち込まれ、終盤にリードを奪われた後は攻め手を欠き、南アフリカの勝負への強かさの前に無残にも決勝トーナメント初戦での敗退となった。大会前に怪我で離脱したSOロマン・ヌタマックや大会初戦で早々に退場を余儀なくされたHOジュリアン・マルシャンなど、要となるポジションの選手を欠き、終盤での選手交代からのプレー精度にあった課題が1点差の勝負に響いてしまった。
総評
国民の期待を一身に背負って悲願の優勝を期していた地元フランスと世界ランキング1位で絶対の自信をもって臨んだアイルランドが、連戦錬磨のW杯優勝経験国にあっけなく敗退した。
戦前の予想では、(筆者も含めて)欧州勢の優位が大きく報じられていただけに、敗退した両国にとってはプレッシャーも大きかったと思われ、逆にノックアウトステージを知り尽くしたニュージーランドと南アフリカにとっては準備しやすい環境が整っていたということも、結果的には言えるかもしれない。
しかし、勝った両国は、相手の特徴や持ち味を研究し尽くして徹底した対策を実践し、最後まで崩れなかったところにW杯で勝ち切る芯の強さを垣間見せた。両カードとも「事実上の決勝戦」とも言われた勝負だっただけに、このまま決勝で顔を合わせる可能性が極めて高くなった。
日本に勝って決勝トーナメント進出を決めたアルゼンチンは、プール戦では苦戦を続けていたが、日本戦でようやく見せた本来の展開力がウェールズを上回り、結果的には4試合で最も点差の開いた解消となった。次戦ニュージーランドにはチャンピオンシップで勝利も挙げており、虎視眈々と過去最高位となる決勝進出を狙う。
イングランドは、大会前に苦杯をなめたフィジー相手に苦しい試合となったが、得意のキッキングゲームを制し、欧州勢で唯一無難に準決勝進出を決めた。次戦は前大会決勝と同じ組み合わせとなる南アフリカ戦となるが、「負けない」試合展開がはまれば下馬評を覆す金星も十分に視野に入る。
世界ランキング(10月16日更新)
| 順位 | 変動(前週) | 協会(国・地域) | レート |
|---|---|---|---|
| 1 | ↑(3) | 南アフリカ | 92.48(↑) |
| 2 | ↑(4) | ニュージーランド | 90.91(↑) |
| 3 | ↓(1) | アイルランド | 90.57(↓) |
| 4 | ↓(2) | フランス | 87.81(↓) |
| 5 | ↑(6) | イングランド | 84.03(↑) |
| 6 | ↓(5) | スコットランド | 83.43(→) |
| 7 | ↑(8) | アルゼンチン | 83.07(↑) |
| 8 | ↓(7) | ウェールズ | 80.64(↓) |
| 9 | →(9) | オーストラリア | 77.48(→) |
| 10 | →(10) | フィジー | 76.38(↓) |
| 11 | →(11) | イタリア | 75.93(→) |
| 12 | →(12) | 日本 | 74,27(→) |
| 13 | →(13) | ポルトガル | 72.78(→) |
| 14 | →(14) | ジョージア | 72.68(→) |
| 15 | →(15) | サモア | 72.23(→) |
参考:トンガ=16位、ウルグアイ=17位、
ルーマニア=20位、ナミビア=21位、チリ=22位
※ 変動とレートの↑は上昇、↓は下降、→は変動なし