【テストマッチ】8月第1週試合結果
スコットランド 25 v 21 フランス
6ネーションズからメンバーを大幅に入れ替えて臨んだフランスは、アウェイをものともせず得意のシャンパン・ラグビーでトライを重ね、21対3と大きくリードして前半を折り返した。ところが後半に入り、46分のスコットランドのWTBダーシー・グレアムのトライから流れは一変し、55分にラックでの危険なプレーで退場者を出したにもかかわらずスコットランドの猛反撃が続き、72分の3つ目のトライで逆転。タイムアウトのホーンが鳴り終えた82分のPGで突き放し、ホームのスコットランドが快勝した。
ウェールズ 20 v 9 イングランド
前半は一進一退の攻防を続けた両チームがPG2本ずつを取り合って折り返した。後半は早々にPGを決めたイングランドが流れをつかんだかに見えたが、BKの華麗なつなぎからSHガレス・デービスが飛び込んでトライを決め、ウェールズが流れを呼び込んだ。58分にはアウトサイドCTBに入ったジョージ・ノースがトライをもぎ取り、大ベテランFBリー・ハーフペニーのコンバージョンも決まって勝負を決定づけた。
アイルランド 33 v 17 イタリア
LOイアイン・ヘンダーソンが主将を務め、バックアップメンバー中心で臨んだアイルランドに対し、イタリアが果敢に攻撃を仕掛け、開始3分で最初のPGを獲得。しかし、FWの圧力で徐々にペースを握ったアイルランドが13分にFWが押し込み、PRデーヴ・キルコインがトライ、SOジャック・クローリーのコンバージョンも決まって逆転に成功した。前半を21対3と大きなリードで折り返したアイルランドだったが、後半からイタリアの反撃にあい、51分には交代で入ったBKロレンゾ・パニにトライを献上する。その後は強力なFW陣の押し込みからアイルランドが、BKの展開からイタリアが、それぞれトライを取り合って接戦となったが、最後はFLカエラン・ドリスのトライで突き放したホームのアイルランドが世界ランク1位の実力を示した。
テストマッチ

サモア 34 v 9 トンガ
ホームでトンガを迎え撃ったサモアが快勝。元オールブラックスのPRファウムイナやフランスで活躍するFBナナイ=ウィリアムズなど多彩なメンバーで臨んだサモアがミスの多発から目立ち攻め手を欠くトンガを圧倒した。
日本 12 v 35 フィジー
日本は前半から変幻自在のパスワークを誇るフィジーに押し込まれて先制のトライを許すと、けがから復帰したばかりのFLラブスカフニが7分に危険なタックルでレッドカードの宣告を受けてサモア戦に続く14人での展開に。攻撃の糸口をつかもうとするが肝心な場面で連携ミスが出て決定機を作れず前半無得点(対21点)で折り返した。後半メンバーを入れ替えるも流れは変えられずに失点を重ね、疲れの見える相手のミスから2本のトライを得られたものの終了間際にカウンターからトライを奪われて万事休す。CTB長田やLOで交代出場した下川など新戦力の奮闘は見られたものの、課題の多く残る敗戦となった。
ルーマニア 17 v 31 アメリカ
ルーマニアのブカレストはアルクル・トライアンフ・ナショナル・ラグビー・スタジアム(凱旋門スタジアム)で行われたテストマッチは、アウェイのアメリカが前半から猛攻を見せ、終了間際のトライとコンバージョンを含めて19対0で折り返した。後半も勢いは変わらず、46分にペナルティ・トライを奪ったアメリカは、46分のルーマニア側のイエローカードも生かして55分にトライを追加。ホームのルーマニアも最後は意地を見せ、60分過ぎから立て続けに3本のトライを重ねて疲れの見えるアメリカに反撃したが、時すでに遅かった。
ウルグアイ 26 v 18 ナミビア
ウルグアイのモンテヴィデオで行われたナミビアとの対戦は、地の利を生かしたウルグアイが優勢に試合を進め、ナミビアのイエローカードもあって30分までに2本のトライを挙げたが、37分のイエローカードからのPGを献上して情勢は一転し、前半終了間際のトライで12対8とナミビアに追い上げられた。後半に入っても勢いは変わらず、ナミビアが43分にFWでトライを奪って逆転に成功。立て直しを図った地元ウルグアイは、前半流れを悪くしたイエローカードのCTBペレスがバックス展開からトライを返して再逆転に成功し、流れを呼び戻してその後は試合を優位に展開。64分のトライで突き放し、その後のナミビアの猛攻を1トライでしのぎ切り、接戦を制した。
アルゼンチン 13 v 24 南アフリカ
PGで先制した前回W杯覇者の南アフリカは、平静を取り戻した地元アルゼンチンの圧力を受け、徐々にペースを握られると23分に逆転のトライとコンバージョンを献上。前半終了間際にはイエローカードとペナルティからの失点で10対3の劣勢のまま折り返した。後半に入ると形勢は逆転し、42分にこの試合で主将を務めたHOムボンゲニ・ムボナンビがモールを押し込んでトライ、コンバージョンも決まって一気に同点に持ち込み、その2分後の45分にはWTBキャナン・ムーディが快足を飛ばして逆転のトライを決めた。アルゼンチンもPGで2点差まで追い上げるもFWの圧力からペナルティが増え、3PGを献上して引き離した南アフリカに軍配が上がった。
チリ 13 v 40 アルゼンチンXV
W杯初出場を控えるチリが地元アントファーガスタでアルゼンチンのセカンドチームと対戦。2PGで先制後トライの応酬で接戦となったが、32分のイエローカードで流れを失うと2本のトライで突き放され、後半は地力に勝るアルゼンチンXVに3本のトライで突き放された。
ニュージーランド 23 v 20 オーストラリア
伝統のブレディスローカップとして開催された同対決の第2戦はニュージーランドのダニーデンで行われたが、大方の予想に反し、前回地元で完敗を喫したオーストラリアが果敢に攻め、新鋭SOカーター・ゴードンを中心にBK展開し、開始3分にスピードスターWTBマリカ・コロインベテ(埼玉ワイルドナイツ所属)が左隅に先制トライ。コンバージョンも決めて幸先の良いスタートを切る。さらにその3分後にはFWが押し込んでトライを奪い前半10分で14対0とリード、その後PGを取り合ってオーストラリアリードのまま前半を終えた。後半は地元ニュージーランドが実力を発揮して流れをつかみ、44分にWTBスティーブンソンが右隅にトライ、コンバージョンも決めて1トライ差に迫ると得意の展開ラグビーで粘りを見せるオーストラリアに流れを渡さず、PGを加えて4点差で迎えた64分にはついにFLフィナウのトライを演出して逆転に成功。73分に後半入ったSOクエイド・クーパーのロングPGで同点に追いつかれるも、終了間際のPGをこちらも後半投入したSOモウンガがものにして接戦を制した。
総評
W杯前の調整試合でランキング上位勢はセカンドチームでの対戦が目立ったが、それでもそれぞれの層の厚みや成果と課題の見える対戦となったのではないか。特に前回大会で日本が勝利したスコットランドとアイルランドは、その後の強化策が実を結んでいる形で、大会でも好成績が期待できる。
一方日本代表は、またしても序盤のレッドカードから戦略修正を余儀なくされ、強い相手に持ち味を封じられて完敗を喫したのには不安が残った。4年に1度の大一番では強いリーダーシップとゲーム内での修正力が求められ、個々のプレーもさることながら、残りの期間でチームとしての成熟と強力なリーダーの出現が望まれる。対戦相手となるサモアやアルゼンチンの充実ぶりは要注意で、ランキングでは上位のイングランドにとっても気を抜けない強敵になると思われ、プールステージから厳しい試合が想定される中、さらなる奮起を期待したい。
世界ランキング(8月7日更新)
| 順位 | 変動 | 協会(国・地域) | レート |
|---|---|---|---|
| 1 | →(1) | アイルランド | 91.82(→) |
| 2 | →(2) | ニュージーランド | 90.77(→) |
| 3 | →(3) | フランス | 89.00(↓) |
| 4 | →(4) | 南アフリカ | 88.97(↑) |
| 5 | →(5) | スコットランド | 84.24(↑) |
| 6 | →(6) | イングランド | 81.01(↓) |
| 7 | →(7) | アルゼンチン | 80.86(↓) |
| 8 | →(8) | オーストラリア | 79.87(→) |
| 9 | →(9) | ウェールズ | 79.18(↑) |
| 10 | →(10) | フィジー | 78.70(↑) |
| 11 | →(11) | ジョージア | 76.23(→) |
| 12 | ↑(13) | サモア | 76.19(↑) |
| 13 | ↑(14) | イタリア | 74.63(→) |
| 14 | ↓(12) | 日本 | 74.29(↓) |
| 15 | →(15) | トンガ | 70.29(↓) |
※ 変動とレートの↑は上昇、↓は下降、→は変動なし


