【6N】欧州6ヶ国対抗戦(シックス・ネーションズ)がまもなく開幕!

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6ネーションズの2024年大会がまもなく開幕!
世界初のテストマッチと言われる1871年のイングランド対スコットランドから12年後、1883年に4ヶ国対抗の大会(The Championship)としてスタートし、1910年にはフランスが(※1932-1939の8年間を除く)、2000年にはイタリアがそれぞれ加わり、今の6ヶ国対抗の形となった6ネーションズは、6ヶ国対抗戦としては今年で25回目の大会となる。
昨年のW杯では振るわなかった欧州勢が巻き返しを期し、次の2027年に向けたスタートを切る最初の重要な大会を展望する。
大会展望
世界ランキング1位を不動とし、圧倒的なパワーとスピードでアイルランドがグランドスラムを達成し、幕を閉じた昨年大会から1年。意気揚々と乗り込んだW杯ではイングランドの活躍(3位)はあったものの、優勝候補と目されたアイルランドと地元フランスがまさかの準々決勝敗退で終わり、欧州勢としては不完全燃焼の大会となってしまった。
今年は、W杯を機に代表/現役引退を表明した選手も多く、また、3年後の次回W杯(オーストラリア2027大会)に向けた新チームの再構築を目的に、様々なニューフェイスやスター選手の登場が期待でき、各国の大会ラインナップを検証していく。
アイルランド
長くチームを牽引してきたSOジョナサン・セクストンが引退したアイルランドのヘッドコーチ(HC)、アンディ・ファレルは、新たな主将としてピーター・オマホニーを指名した。100キャップ越えの大ベテランFLはすでに10回のゲーム・キャプテンを務めており、今大会に限って言えば申し分ないキャプテンシーを持っていると言える。
チームは、同じく100キャップを優に超えPRキアン・ヒーリーやSHコーナー・マレーなどのベテラン勢が中心となるが、開幕戦となるフランス戦のリザーブメンバーに選出されたWTBカルヴィン・ナッシュなど、経験の浅い若手もちらほら見られ、新しいチームへの模索が続くと見られる。
注目は、W杯でも大活躍を見せた大型CTBバンディ・アキ。自身が起点になることも、防御の壁を突破してトライを取り切ることもできる強さと器用さを兼ね備えた存在で、オマホニー主将とともにアイルランドの浮沈を握ると言って過言ではない。加えて、前出の新鋭WTBナッシュが登場すれば、そのキレのある動きに注目したいところ。
フランス
多くの期待を背負って臨んだ地元大会での惜敗から再始動を図るフランスは、主将のアントワーヌ・デュポンが7人制でのオリンピック2024フランス大会への出場を目指して今季の代表選欠場を表明しており、ファビアン・ガルティエ監督は代役としてNo.8グレゴリー・アルドリットを選んだ。アルドリットは、多くのカテゴリーでその試合で最も活躍した選手を示す「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」に何度も選出されている安定したハイパフォーマンスを出せるプレーヤーで、欧州だけでなく世界でもトップクラスのNo.8と言える存在。所属クラブのラ・ロシェルでも主将を務め、好成績を残しており、キャプテンシーやプレーヤーとしての資質は申し分ない。
チームは、W杯で怪我から復帰して期待のかかったFL/No.8アントニー・ジュロンシュ、代表資格要件のために昨年のW杯出場がかなわず、ようやくの出場機会が期待されたLOエマニュエル・メアフー、さらにはLOの中心選手チボー・フラマンらのトゥールーズ勢が相次いで怪我・離脱を余儀なくされ、特にFWの体制が心配されたが、ベテランLOポール・ヴィレムサと同じトゥールーズのバックロー、アレキサンドル・ルマが補充され、なんとか体制を保った。選手層の厚みは健在で、開幕戦では控えに回る新鋭WTBルイ・ビエル=ビアレなど若く力のある選手が揃っており、昨年唯一敗れたアイルランド戦での巻き返しは十分可能だろう。
注目は、クレルモンからボルドーに移籍して話題となったWTBダミアン・プノー。大外での絶妙な球捌きに加えて周囲を生かすプレーも巧みで、現在世界最高峰のWTBプレーヤーで、円熟味を増すプレーに期待がかかる。ほかでは、長くジュリアン・マルシャンの控えに甘んじてきたHOペアト・モーヴァカが開幕戦で先発出場を勝ち取っており、そのフレアのあるプレーにも注目したい。
スコットランド
昨年のW杯では世界ランキング1位のアイルランドに加え、優勝した南アフリカと同組の「死のプール」で予選敗退を喫したスコットランドは、グレガー・タウンゼントHCを続投させ、引き続きチームの底上げと刷新を図っている。今大会で主将に選ばれたのは、若きFLローリー・ダージと大ベテランSOフィン・ラッセルで、二人が共同主将を務める。特にダージはまだ24歳とこれからが大いに期待できるバックローだが、ここでキャプテンシーを磨き上げ、あと一歩の展開が多いスコットランドをトップチームに引き上げたい。ただし、膝の故障からの回復が待たれており、初戦は欠場の見込み。
チームは、FW、BKそれぞれ2名ずつ、合計4名のノンキャップ選手を選出し、すでに3年後を見据えた布陣と言えそう。共同主将の二人がそれぞれFW、BKを率い、一体となった攻撃・防御が機能すれば、さらに上積みが期待できるかもしれない。
注目は、圧倒的な決定力を誇るWTBドゥーハン・ファン・デル・メルヴァ。強烈な体躯とスピードでトライを量産したい。昨年まで主将を務めたFLジェイミー・リッチーの奮闘にも期待したい。
イングランド
対戦に恵まれたとは言え、戦前の下馬評を覆し、欧州勢最高位となるW杯3位を勝ち取ったイングランドは、同大会直前からヘッドコーチとなったスティーヴ・ボースウィックが引き続きチームを率い、主将には85キャップのベテランHOジェイミー・ジョージを指名。1871年に始まるイングランド代表の長いテストマッチの歴史で実に135代目の主将となった。
チームは、7人のノンキャッププレーヤー(FW2名、BK5名)を加えたが、100キャップ越えのFWダン・コールをはじめ、LO/FLマロ・イトジェ、PRエリス・ゲンジ、ジョー・マーラー、SHダニー・ケア、SOジョージ・フォード、マーカス・スミスなど、これまで代表を支えてきた中堅・ベテラン選手が中心となるだろう。
注目は、FBフレディ・スチュワード。190㎝を超える長身でハイボールに強く、スピードやキレのあるランも魅力で勢いに乗れば大きな活躍が期待できる。ほかではSOマーカス・スミスのトリッキーなプレーも注目だが、怪我のため初戦は欠場の見込み。LO/FLイトジェの献身的なプレーにも注目したい。
ウェールズ
2021年大会の優勝から低迷を続けるウェールズは、それでもW杯で強豪オーストラリア代表に完勝するなど決勝トーナメント進出(ベスト8)を果たし、勝負強さや多彩な才能を見せた。ウォーレン・ガットランドが引き続きHCを務めるが、チームの刷新を図り、主将に12キャップでまだ21歳と若いLOダフィッド・ジェンキンスを指名した。
チームは、5人のノンキャッププレーヤーを選出し、若手を中心とした選出となった。主将のジェンキンスのキャプテンシーは未知数だが、数年先を見据えた布陣に期待がかかる。一方、スター選手のWTBルイス・リース=ザミットがNFL(アメリカンフットボールプロリーグ)挑戦を表明し、代表から離脱するなど、新たな体制で臨まざるを得ない実情もある。
注目は、118キャップの大ベテランCTB/WTBジョージ・ノース。若いチームを牽引するリーダーシップと力強いプレーに期待したい。ただし、肩の怪我で初戦を欠場する見込み。一方、早速の初キャップを手にすることになるFBキャメロン・ウィネットのプレーぶりにも注目したい。ほかではNo.8で初戦に起用されたアーロン・ウェインライトのボールキャリーに期待か。
イタリア
2000年の参加以降着実に力をつけているイタリアだが、地力に勝るホームユニオン(イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズ)やフランスにあと一歩及ばない戦いが続く。2016年から8年続けての最下位という不名誉を振り払うことができるか注目だが、新たに元アルゼンチン代表SOゴンサロ・ケサダHCを迎え、ミケレ・ラマロ主将とともにチームの浮上を狙う。
その新たなチームは、FWに5人のノンキャッププレーヤーを招集し、新たなスタートを切るが、チームの中心はSOパオロ・ガルビシやSO/FBトマソ・アラン、LOニコロ・カノーネなどベテラン・中堅の選手たちになりそう。初戦ではパオロの弟アレッサンドロ・ガルビシがSHに入り、兄弟での出場となる。
注目は、モンティ・イオアネとアンジェ・カプオッツォのWTBコンビ。ともにスピードスターだが、特にカプオッツォは、線の細い体躯に似合わない力強さも備えており、フィールドを縦横無尽に駆ける姿に注目したい。
優勝予想
本来の主将アントワーヌ・デュポンを欠きつつも選手層の厚みと展開力でフランスが優勢。続いてアイルランド、スコットランドが追う展開とみる。初戦のフランス対アイルランドがいきなり序盤の大きな山場となり注目したい。

